記憶力をアップさせることは簡単ですが時間がかかりますので、中学生のやる気を無くさないためにも短期間で成績アップが望める勉強法も必要となります。

(重要なポイントです。記憶力のアップは簡単ですが、時間がかかるので難しいと思っている方が多いだけです。詳しくは過去記事をご参照下さい)

 

要するに身につけるのに時間のかかる記憶力が乏しくても成績がアップするような勉強法であれば良いわけなのですが、それはどのような勉強法だと思いますか?

短期間に成績アップが望める勉強法とは?

即効性のある勉強法とは?

中学生のやる気で悩んでいらっしゃる場合、大半の中学生は学年順位が下位3分の2に位置する子ではないかと思います。

学年の人数が300人ならば100位以内に入れていない生徒ですね。

 

もちろん100位以内であっても、やる気に欠ける場合やさらなるやる気を求める場合はあるでしょうし、上位の順位の生徒さんでもより良い勉強法は必要としていることでしょう。

即効性があるのであれば必要かもしれませんが、やる気を維持するという観点から即座に成績アップという結果が欲しいということになれば、学年順位が上位3分の1の生徒さんは当てはまらないと思います。

 

ですので、今回は基本的に100位以内に入れない子たち(学年人数が200人ならば70位以内に入れない子たち)を対象に話をすれば、即効性のある成績アップをするには、全教科を満遍なく上げようと欲張らないことです。

つまり、どれか1教科に的を絞って成績アップを狙い、手応えをつかむ経験をさせることをお奨めします。

どの教科を選べば良いのか?

それでは、どの教科を選んで成績アップを図れば良いのでしょうか?

 

主要5教科の中でも比較的得意な教科に絞って得意分野をさらに伸ばすべきでしょうか?

それとも苦手教科の克服でしょうか?

 

苦手教科が克服できることは大きな自信ややる気につながりますが、それが短期間に可能なのでしょうか?

そもそも5教科のうち成績アップしやすい教科があるのでしょうか?

系統学習教科とは?

国語、数学、英語は系統学習教科と呼ばれます。

これらの教科は現在習っている単元単体で理解するものではないですね。

つまり過去の学習の積み重ねの上に成り立って学習ができるのが系統学習教科と呼ばれる教科です。

 

従って一般的には即効性のある成績アップが難しいとされています。

 

たとえばお子様が現在まだ中学1年生だとして、これらの系統学習教科が苦手だとしたら、わからなくなった原因となる部分(単元)まで遡って理解をし直し、その上で現在の単元を勉強せねばなりません。

2019年現在、英語はまだ中学1年生からのスタートですが、それでさえ、現在は一般動詞について習っているのでしたら、過去のbe動詞との区別がわからないといけないため、be動詞について学びなおすか、あるいはもっと前のアルファベットさえまともに覚えていなかったとしたら、アルファベットまで遡らなければ現在の単元は理解できませんね。

 

数学も、今は方程式を習っているとしたら、正の数・負の数について理解できているのかどうか、式と計算の概念や計算が理解できているのかどうか、その点が問題になってくるわけです。

理科や社会は?

理科や社会は一般的には系統学習教科に分類されていません。

なぜなら特に理科の一部分を除き、理科と社会は過去に習ったことを理解できていなくても現在学習中の単元単体を理解できればそれで済むからです。

 

さて、どの教科を選びますか?

短期的な成績アップがしやすい教科とは?

今までの一般論をお聞きになられて、どの教科を選ぶべきかおわかりでしょうか。

主要5教科のうち、どの教科が短期的な成績アップを狙いやすいと思われますか?

 

理科か社会でしょうか。

となると冒頭の前提から話がズレますね。

 

今回冒頭で「身につけるのに時間のかかる記憶力が乏しくても成績がアップするような勉強法であれば良い」とお伝えしていますが、理科や社会科を短期間で成績アップさせようと思えば記憶力に頼るしかありませんから。

また過去の記事からお読みの方は、私が既に理科・社会での短期的な成績アップを否定したことをご存知ですね。

 

しかし、多くの塾では奨めている成績アップの方法ではあります。

また、冒頭と矛盾するようでも、仮に記憶力が乏しくとも無いわけではありませんから、頑張れば理科や社会での短期的な成績アップは可能と言えば可能ではあります。

 

ですが、記憶力がまだ鍛えられていない段階で記憶力に頼る勉強法を奨めてしまっては、さらなる勉強嫌いになってしまいかねません。

 

それならば英語はどうでしょうか?

 

系統学習教科の中では最も学習期間が短い教科ですから、遡っての勉強も一番楽なはずですからね。

ですが、私のお奨めは違います。

特に現在中学1年生でしたら遡る期間もわずかかもしれませんし、英語が好きな子でしたら英語でも構わないのですが、英語は残念ながらかなりの記憶力も必要としてしまいます。

 

特にゆとり教育のカリキュラムになってからは中学1年生でもかなり多くの英単語を覚えさせられますので、英単語や文法や基本文をかなり記憶できなくてはなかなか得意にもなれないのではないでしょうか。

 

ですので、そこがクリアできていて英語が比較的得意、あるいは好きだというのでしたら英語でも良いのですが、私が普段お奨めしている教科ではありません。

お奨めは国語か数学です!?

短期的に一気に成績アップを狙いたいのでしたら、お奨めは国語か数学のいずれかに的を絞って勉強をすることです。

 

先ほどの系統学習教科の話からしたら最も成績アップがしにくい教科に思えるかもしれませんが、実は逆もまた真なりの典型で、その単元単体で理解ができないのであれば、逆にその単元単体を理解できるならば、過去の必要部分も理解できたことになりませんか?

また多くの方々が一般論に惑わされて短期的に成績アップができない分だけ、一気に点数を上げれば学年順位も一気に上げやすいとも言えるのです。

 

つまり、やり方次第で国語や数学は非常に効率よく一気に成績アップが狙える教科なのです。あくまでもやり方、つまり勉強法が重要ではありますが。

国語と数学のどちらを選ぶべきか?

基本的には数学のほうを先に選ぶことをお奨めします。

ですが、これはあくまでも基本の話で、国語を選んだほうが良い子もいます。

 

数学が苦手な子は数学を選ぶべきでしょう。苦手教科が一気に得意になれば自信につながりますから。

ただし、前提条件として苦手であっても簡単な四則計算はできることが必須です。

小数や分数の計算が苦手でも構いませんが、最低限掛け算の九九はできることが前提です。

 

九九もまだ危ういということでしたら、国語を選んで成績アップを図って下さい。

 

数学がある程度得意な場合も、100点満点中80点以上が取れるほどに得意なのでなければ数学を選んでさらなる成績アップを狙って下さい。

80点以上が普段から取れているならば、数学ではなく国語を選んで下さい。

どのような勉強法で勉強をすれば良いのか?

これについては、国語を選ぶのか数学を選ぶのかで勉強法は当然違いますし、仮に数学に絞って話をするとしても、現時点の成績によってやり方は若干変わりますので、具体的な勉強法については別途お伝えします。

 

今のところは、

  • 国語と数学は意外と短期的に成績アップすることが簡単な教科であること。
  • 頑張れば狙いやすいからと安易に理科や社会を暗記させるために詰め込もうとしないこと。

 

この2点をまず頭に置いておいて下さい。