今さら言うまでもないことですが、夏休みは中学生にとって頑張り時ですね。
学年を問わず夏休みに頑張れば成果が出るはずなのですが、中学生は中学生でそうはいきません。
夏休みは部活も大会があって大変ですし、暑いし、遊びの誘惑も多いし、学校によっては宿題や課題も山ほどでるし、なかなか自分の成績アップのための勉強まで手が回りません。
そもそも夏休みはなぜ頑張り時と言われるのか?
一般的には夏休みは長期のお休みで普段よりも時間的な余裕がありますから(中学生にとってはそのような感覚はないものですが)普段よりもしっかり勉強ができるはずですし、授業がないので勉強をしなければ逆に成績を落としかねませんし、他の中学生が遊んでいる時に自分が頑張れば相対的に差がつけやすいからでしょう。
しかし、それはあくまでも大人の理屈であって中学生には響きません。
だからこそ、毎年どこの塾も夏期講習をやり、夏休みに勉強を頑張るように煽っているものの夏休みに勉強を頑張る中学生はほんの一部の子だけですね。
- ほとんどの中学生にとって夏休みは嫌いな勉強の授業がないことからの解放感。
- 時間的な余裕があるということから普段よりも部活の時間が長くなっての疲労感。
この2つのほうが勉強なんかよりもずっと大きく感じることでしょう。
そう考えると夏休みに限らず長期の休みだからと部活の時間を増やすのはどうなのだろうかとも思います。
しかし、部活は部活で頑張る必要のある子もいますから、一概にどうすべきかは難しいところです。
なので、上記の前提で勉強をどうしたらいいかを考えたほうが現実的ですね。
夏休みだから遊びたい気持ちもわかる。部活で疲れることもわかる。勉強なんかやりたくない気持ちもわかる。
その上で、どうしたらいいのか? ということです。
夏休みに中学生は勉強をどう頑張るべきなのか?
そもそも私がたいていの場合に中学生に伝える夏休みに勉強を頑張ったほうが良い理由は先にお伝えした一般論とは違います。
夏休みは大人が思っているほどに中学生はヒマではありません。(中学生側の感覚で言えば)
遊びたいし、遊ぶのはヒマだからではなく遊びたいから遊ぶわけで、それも中学生にとっては忙しさのひとつです。
せっかくの休みだというのに勉強なんてやりたくないのが当たり前です。
なので、それらの中学生側の言い分には全面的に共感しています。私もそうでしたから。
考えてもみて下さい。大人でも休みの日に仕事をしなくてはならないのはほとんどの人にとって苦痛ではないですか?
私も中学生の頃に思っていたのですが、大人は仕事が終われば家ではゆっくりしていればいいのに、子供は仕事に行く代わりに学校に行っているのに、それでも宿題を出されたり家でも勉強しなきゃいけないと言われるのは不公平だと。「大人はいいな」と思ったものです。
もちろん大人になって初めてそんないいものではないことに気付くわけですが、中学生がそんなことをわかるわけもありませんよね。
なので、大人の理屈は余計に納得できないのです。そして納得できないことは子供は行動に移しません。
従って、個人差がありますので人によって若干は変えますが、私はたいてい場合は別のアプローチをします。
私の中学生へのアプローチ
ではどうするのか?
以前にやる気を引き出す方法として夢を与えるか恐怖を与えるかしかないとお伝えしましたが、
ここでも中学生に夢を与えるようなアプローチをします。
しかし、たぶんあなたが想像される「夢を与える」とは少々違うと思います。
努力をした後をイメージさせる
私の方法はこれです。
ですが、努力をした後に(勉強を頑張った後に)成績が上がれば嬉しいでしょうと伝えるほど単純ではありません。
人は中学生に限らず、努力をしたことが報われればその喜びは一層大きなものとなります。
逆に努力したにもかかわらず、望む成果が出なければ、そしてそれが本当に努力をしたのならばその時の悔しさは非常に大きなものになります。
この考え方をもとに、いかに鮮明に努力が報われた際に大きな喜びが得られるかを中学生にイメージさせることが肝要で、そこが上手くできれば(つまり夢を与えられれば)努力をする(勉強を頑張る)ようになるのです。
ただし、嫌いな勉強で大きな喜びを得られることをイメージさせることは言うほど容易ではありません。
また、本当に努力をしても稀に報われないこともあります(テストのタイミングの問題もありますから。どれだけ努力をしても成果が出るまでに若干の個人差がありますので)、万一努力が報われず悔しい思いをすることとなった場合も想定して「保険」をかけておくことも必要です。
そうでないと、努力が報われなかった時、もう少しだけ悔しさから努力を続ければ間違いなく成果が出るにもかかわらず、悔しさから「どうせ自分は頭が悪いんだから頑張っても無駄なんだ」と投げやりになってしまう子もいるからです。
つまり、このあたりのさじ加減や、いかに鮮明に大きな喜びをイメージさせられるかが重要になってきますが、基本的な方法だけをお伝えすると上記のようになります。
後日補足説明はしますが、このようなアプローチをする人は私の知る限り意外と少ないですから、ご参考になさって頂いて、お役に立てれば幸いです。